2026年9月16日

「タバコをやめたいのに、やめられない」のはなぜ?
「健康のためにタバコをやめたい」「何度も禁煙に挑戦したけれど続かない」という方は少なくありません。禁煙できないのは、意志が弱いからとは限りません。タバコに含まれるニコチンには依存性があり、繰り返し摂取することで、脳がニコチンを求める状態になっていきます。そのため、本人の努力だけでは禁煙が難しいことがあります。
ニコチン依存と習慣が重なっている
タバコを吸うとニコチンによって脳内の神経伝達物質が変化し、一時的に気分が落ち着いたように感じることがあります。しかし、時間が経つとニコチンが減少し、イライラや集中しにくさなどが生じることがあります。さらに「食後に吸う」「仕事の休憩中に吸う」などの生活習慣も結びつくため、身体的な依存と心理的・行動的な習慣の両方から禁煙を難しくします。
タバコを吸い続けることで起こるリスク
喫煙は肺だけの問題ではありません。煙に含まれる多くの有害物質は血管や心臓にも影響し、肺がんをはじめとするさまざまながん、心筋梗塞や脳卒中などの循環器疾患、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などとの関連が知られています。また、喫煙は本人だけでなく、周囲の人が煙を吸い込む受動喫煙による健康への影響も問題になります。
「今は症状がないから大丈夫」とは限りません
喫煙による健康への影響は、必ずしも早い段階で自覚症状として現れるわけではありません。咳や息切れなどの症状が出てから禁煙を考えるのではなく、現在健康に問題を感じていない段階から禁煙を検討することも大切です。
禁煙を成功させるためにできること
禁煙では、まず「いつ、どんな場面で吸いたくなるのか」を把握することが役立ちます。起床後、食後、飲酒時、仕事の休憩中など、喫煙したくなる場面を書き出してみましょう。そのうえで、吸いたくなったときに水やお茶を飲む、歯を磨く、短時間歩くなど、別の行動に置き換える方法を考えます。
禁煙補助薬を利用する方法
禁煙では、ニコチンへの依存を和らげるために禁煙補助薬を使用する方法があります。薬にはニコチンを補充するタイプなどがあり、離脱症状を軽減しながら禁煙を進めることを目的とします。使用できる薬や治療方法は、喫煙本数やこれまでの禁煙経験、健康状態などによって異なります。
一人で難しい場合は医療機関へ
「何度禁煙しても失敗する」「タバコをやめるとイライラしてしまう」「自分だけでは禁煙を続けられない」という場合には、医療機関への相談も選択肢になります。喫煙状況を確認したうえで、禁煙の進め方や薬の使用について相談できます。途中で吸ってしまったとしても、それまでの取り組みが無駄になるわけではありません。何がきっかけだったのかを振り返り、改めて禁煙に取り組むことが大切です。
禁煙を考えた今が、最初の一歩です
タバコをやめたいと思っていても、ニコチン依存や長年の習慣があると、自分の努力だけで禁煙することは簡単ではありません。大切なのは「我慢できない自分が悪い」と考えるのではなく、依存症として適切な方法を検討することです。禁煙を始めたい方、これまで何度も禁煙に失敗している方は、内科で一度ご相談ください。かたぎりクリニックでは、患者さんの喫煙状況や健康状態を確認しながら、禁煙に向けた方法を一緒に検討します。
監修者情報

かたぎりクリニック 院長
片桐光浩
医学博士・日本外科学会専門医・日本消化器外科学会消化器がん外科治療認定医・日本がん治療認定医機構がん治療認定医・日本消化器病学会専門医・日本大腸肛門病学会専門医・日本抗加齢医学会専門医・マンモグラフィ読影認定医